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Arikainaメールマガジン 2026/1号(2026/1/10発行)


Arikainaメールマガジン 2026/1号

皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼超高級ホテルの一端があきらかに 鷹島・名南風鼻の売却、周知の遅れを指摘する声も
https://arikaina.com/_article/202601/takashima-1.html

▼険しい山道を大幅ショートカット!海南金屋線の改良区間、1月18日に”ほぼ全線“開通
https://arikaina.com/_article/202601/kainan-kanaya-road-1.html

▼かなや明恵峡温泉、レジオネラ属菌検出で臨時休業 ”一番の繁忙期“お正月に営業できず
https://arikaina.com/_article/202601/myoe-hotspring-1.html

▼浪曲師として初の人間国宝 二代目・京山幸枝若さんが湯浅で公演
https://arikaina.com/_article/202601/roukyoku-1.html

▼ほか記事一覧
https://arikaina.com/_article/202601/kiji-index.html


メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。

あらためまして、新年あけましておめでとうございます。今月は先月号・先々月号に続いて、鷹島・名南風鼻の売却問題を大きく取り上げました。

実は12月10日、ちょうど先月号の発行日と同じ日に広川町の議会がありまして、締め切りのバタバタから取材してそのまま印刷所へ、というなかなかハードな1日でした。体力的にはしんどかったのですが、議会ではいくつか興味深い話を聞くことができ、しんどかっただけのことはありました。

議会のあと町長・副町長と少しお話しする機会があったのですが、鷹島・名南風鼻の売却について「進め方がおかしいのでは?」という疑問をぶつけてみました。私のほかにも町民の方もいらしたのですが、お二人とも、進め方については特に問題意識は持ってらっしゃらないように見えました。

お二人が強調するのは、とにかく「経済効果」。雇用や波及効果など、町にとってプラスだという話がひたすら続く感じです。これはその後の12月24日の議会でも同じで、町長はまず経済効果を第一に強調しているように見えました。

そのとき町長から出てきたのが、今月号の記事にも書いた「鷹島の買収は強羅花壇側から希望があった」という話です。あとで県の担当課の方にも確認しましたが、その点については認めていました。

町議会では「鷹島は売却しない、という考えはないのか」という質問も出ていましたが、これは議員さんだけでなく、他の方からもよく聞く意見です。

そもそも鷹島は県立自然公園の第一種地域で、実質ほとんど開発はできません。それなのになぜ売るのか?という疑問は、ごく自然なものだと思います。

事業計画では「プライベートビーチにする」とされていますが、島内に勝手に入る人が出てくる可能性もありますし、開発しないとは言ってもそういう使い方認めていいのかな、という気がしなくもありません。

強羅花壇は事業計画で「ラグジュアリーな体験を」と言っていますが、第一種地域を買って自分たちのビジネス専用の場所にしようとすることが本当に「ラグジュアリー」なのか、個人的には疑問です。

それに地元でこれから開催される説明会に姿を見せる予定がないというのも、疑問に感じます。町長は事あるごとに「超一流の企業」と言いますが、本当にそうなら自分たちから「住民や議会に説明させてください」と言ってきてもいいのではないでしょうか。

優先交渉権者になっているにもかかわらず、強羅花壇のホームページにもこの鷹島・名南風鼻の話は載ってません。広く報道されているので取材の申し込みもあるのではと思いますが、私の知る限り、この件について強羅花壇が取材を受けた記事も見たことがありません。

個人的には今のところ、この件に関しては「超一流の企業」にふさわしい振る舞いをしているとはあまり思えないと思います。お客さんだけでなく、これからお世話になるかもしれない地域に対しても「ラグジュアリー」に接してほしいものです。


今回の取材では広川町の樫原町長の発言について、記事に掲載した以外にも疑問を感じるところがいろいろありました。

町長は議会で「梧陵さんが命がけで守ったこの広川町を守りたい」という言い方を何度もしていたのですが、この「命がけで守った」というのがよく分かりません。

ラフカディオ・ハーンの本や教科書に載った「稲むらの火」とか、こうした物語では梧陵さん(やモデルとなった人物)は特に命の危険にさらされているわけではありませんし、「命がけで村や村人を守った」という描写は特にありません。「稲むらの火の館」のホームページでの解説ですと、実際の安政の津波のときは、梧陵さん自身も津波に流されたとされています。

津波のあとで私財を投じて堤防を築き、被災した村人を失業から救ったことを指して「命がけ」と言えなくもないかもしれませんが、普通はあまりそういう言い方はしないと思います。

もし売却の正当性を強調するために、さしたる根拠もなく「命がけで守った」という言葉を使っているのだとしたら、それはむしろ梧陵さんに失礼なのでは、という気もします。

また町長は「広川町が無くなったら、鷹島や名南風鼻をどうするかという話も意味がなくなる」とも答弁していましたが、私はこれはかなりナンセンスだと思います。

たとえ単独自治体としての広川町が無くなったとしても、「鷹島式土器」に名を残す鷹島の遺跡や、「鷹島の石」に込められた明恵上人の思いが、消えてなくなることがあるでしょうか?

ちょっと余談ですが、この問題があってから「鷹島」で検索することが増えたのですが、戦国時代の豪族・白樫氏の最後の当主が、大坂の陣のあと鷹島で自決した、という話も出てきます。

小さな島にも関わらず鷹島にはこうした歴史や由緒が多く、あのたたずまいとか、何か人を引きつけるものがあるのかもしれません。西日本の考古学とか鎌倉仏教の時代背景を研究する人とかがいなくならない限り、鷹島のことを知る人がいなくなるとは、私には思えません。

じゃなぜ「意味がなくなる」などという発想が出てくるのかと考えますと、記事にも書きましたが町長は自ら「歴史とか文化とか疎いんで」と言ってしまうような方ですので、そこが原因ではないかと思われます。正直な人なのかもしれませんが、失礼ながら、要は価値を理解できていないということなのではないでしょうか。

数千年前の土器や、今も京都の高山寺に伝わる「鷹島の石」を見て、かくかくしかじか、これはこういう由来でこういう価値があると説明されても、価値を理解できない人からしたら「ふーん」でしかありません。

でも幅広く興味を持ち好奇心や知識欲が旺盛な人であれば、高山寺で石を見てお寺の方から説明を受ければ、明恵上人のことは知らなくても、強く関心を持つ人もいるのではないでしょうか。

今回の売却話で町長がやたら経済効果のことをいの一番に持ち出すのも、そう考えればつじつまが合うような気がしなくもありません。言っちゃ悪いですが、ある価値を見出せなければ他のことにより価値を見出すというのは、筋の通った話だと思われる。

私は「広川町」を無くさないためには、鷹島式土器がなぜこの島で見つかったのか、明恵上人がなぜ鷹島の石を持ち帰ったのか、そういうことに興味を持ち、価値を感じることが大事なのではないかと思います。

人はパンのみにて生くるにあらず、とは言いますが、お金の話ばかりが先に立つ場所に人は集まるでしょうか。単に自治体が存続するかどうかという話だけをしていては、「広川町」はますます無くなっていく気がします。


というわけで、今月はこれぐらいにしておきます。もちろん広川町が無くならないようにするためには、人口を増やす努力も大切です。減るからと言って何もしないのでは、ますます減るばかりです

広川町では家を建てることを条件に、移住者に町有地を無償で提供する事業をしています。2年ほど前からはじまりましたが、すでに8区画のうち4区画が譲渡されています。

もちろん、これだけではほとんど体制に影響はありません。しかし思いますが、人口が減少してもいいとか仕方ないという態度になるのなら(実際、和歌山県の前知事はそういうことを公言していましたが)、もう単独自治体はやめて、周囲の自治体と合併することを考えるべきではないでしょうか。

実際にそうなったらもう、単独の自治体としてやっていく意味がありません。住民のためでなく、行政のために自治体を継続するようなものではないかと思います。

だったら鷹島や名南風鼻の売却も認めるべきではないかと思われるかもしれませんが、毎年100人ぐらい人口が減少している広川町で、雇用100人という今回の計画が「消滅可能性自治体から脱却する一助(町長)」にすらなるかどうか、何とも言えません。100人全員が町内から雇用されるとか、町内に居住するとかは考えにくいものがあります。

上の町有地無償譲渡で何人の方が新たに町民になるのか人数までは分かりませんが、若い世代を対象にしているので、平均2.5人としても10人です。区画整理しているので予算もかかっているとは思われますが、他の自治体では空き家ごと譲渡しているようなところもあります。一気に増やそうというようなものでなくても、工夫の余地はまだあるのではないでしょうか。

加えて鷹島と名南風鼻は、ずっと記事にしているような事業の進め方の不自然さもあります。少なくとも町が手放すことの価値と見合うのかどうか、十分議論する必要があると思います。

これぐらいと言ってから長くなってますが、ぐちっぽくなったので最後に明るい話題をふっておきます。うちの配布地域外ですが、3回目となる串本のロケット打ち上げが2月に決まりました。

このメルマガでは何度かとり上げてきましたが、今度はいよいよ正念場ではないかと思われます。AIさんに聞いてみましたが、

ChatGPTさん:
・次の3回目を失敗 -> 黄色信号
・4回目を失敗 -> 赤信号
・5回目を失敗 -> 事業継続が極めて困難

Claudeさん:
3号機失敗:事業継続可能。出資企業も「学習プロセス」として受け入れる可能性が高い
4号機失敗:厳しいが継続可能。ただし追加出資条件が厳しくなり、経営陣の刷新も検討される
5号機失敗:継続は極めて困難。抜本的な事業見直しか、他社との統合などが必要になる

Geminiさん:
1. 3回目(今回):黄色信号(正念場)
今回の2月の打ち上げが失敗すると、単なる「初期トラブル」ではなく「信頼性の欠如」とみなされ始めます。
影響: 今後、国や民間企業が「大切な衛星」を預ける際の優先順位がガクンと下がります。「安くて便利」であっても「落ちるかもしれない」ロケットには誰も載せたくないからです。
2. 4回目:赤信号(崖っぷち)
もし次もダメで、その次の4回目も失敗するとなると、もはや「技術的な蓄積」だけでは言い訳が立ちません。
影響: 出資しているキヤノン電子やIHIなどの親会社や銀行が、「これ以上、赤字を垂れ流してまで続ける価値があるか?」を深刻に議論し始めます。役員の交代や、プロジェクトの根本的な見直しが避けられなくなるラインです。
3. 5回目:事業継続の限界(THE END)
5回連続失敗となると、世界的に見ても「ビジネスとして成立しているロケット会社」でそんな事例はほとんどありません。
影響: 資金調達がほぼ不可能になります。スペースXが4回目で成功した際、イーロン・マスクは「もし4回目も失敗していたら、もう資金が底をついて倒産していた」と語っています。スペースワンも、5回失敗してまだ資金を出し続けてくれる投資家を見つけるのは、奇跡に近いほど困難でしょう。

というわけで、どれも大体同じ見方をしています。AIさんの見立てが正しければ、次の3回目が正に大勝負です。

ただ次成功すればもう大丈夫、というわけでもありません。AIさんともいろいろ話しましたが、成功率を上げないとビジネスにはならないようです。成功を続けないといけません。

スペースワンは国も支援し、イプシロンロケットとかに関わってきた人たちが参加してて、いわば日本ロケット界の精鋭陣がやっているような会社です。傍目には成功は約束されていたようにも見えますが、ここまでは苦戦しています。

強羅花壇も同じではないでしょうか。町の全員協議会でも意見が出ていましたが、超一流のホテルだから成功する、では議論にもなりません。最後にちょっと戻ってしまいましたが、とにかく来月の打ち上げが成功するよう期待しています。それではまた来月〜

※次号は2月10日発行です。

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
https://arikaina.com
arikaina@gmail.com
〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10

参考=
強羅花壇 | GORA KADAN [ブランドサイト]
https://www.gorakadan.com/
小泉八雲鈔 (青年読物 ; 第2篇) - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1105730/1/45
資料室 【稲むらの火】|稲むらの火の館
https://www.town.hirogawa.wakayama.jp/inamuranohi/siryo_inamura.html
Arikaina - 広川町、鷹島(たかしま)を売却へ 向かいの岬にホテルを建設か[1]
https://arikaina.com/_article/202511/takashima-1.html
白樫氏関係資料 文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/282930
広川町のむかし(江戸時代)|和歌山県広川町「源流」プロジェクト
https://note.com/hirogawa/n/n83ed2548731d
広報ひろがわ令和8年1月号(No.585)
https://www.town.hirogawa.wakayama.jp/kouhoushi/pdf/R0801.pdf
プレスリリース:カイロスロケット 3 号機の打上げ予定について | SPACE ONE | NEWS
https://www.space-one.co.jp/news/news_20251215.html

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