Arikaina 2016/5 海南のピアノ調律師・成川弘治さん[1]
スタインウェイ会正会員、ロシアの歌劇場や宮殿のピアノを調律
音楽楽しむには、ゆっくりした生活がいい 海南市のピアノ調律師・成川弘治さん

 5月に和歌山市で開催される、映画「ピアノマニア」上映会(本紙別記事参照)。

上映会で解説を務めるのが、海南市在住のピアノ調律師・成川弘治(ひろはる)さんです。

海外でも活躍する成川さんに、調律師の仕事や地元への想いについて伺いました。

海南市内の工場にて。右下はピアノのフレーム部分で、ここさえ生きていれば古いピアノも甦るとか。

 成川さんは有田市出身の40歳。

箕島小・中・高を卒業後、専門学校を経て楽器店に勤めた後に独立。

現在は海南市に工場を設け、全国、時には海外までピアノ調律のために飛び回っています。

仕事は一般家庭のピアノの調律から、演奏家のコンサート用の調律までさまざま。

一般家庭のピアノでは、何十年と使われていなかったピアノの調律を依頼されることが多いとか。

「お母さんが子どもの頃弾いていて、子どもさんができてまた使いたい。そういう代替わりで依頼される方が多いですね」

古いピアノの調律は、ほとんどの場合一日がかり。

本体をばらして清掃、また組み上げてからひとつひとつ音を調律…そんな作業が8〜9時間。

「本当に地味〜な仕事です」

調律師は真っ白でないといけない

 映画「ピアノマニア」では主人公の調律師が、ピアニストから次々と出される要望に応えていく姿が描かれます。

「よく『ピアノを調律する前にピアニストを調律しろ』と言うんですよ(笑)100人いれば、100人のピアノの名器があります。協調性の必要な仕事ですね」

「どんなピアノでも、メーカーや製造会社が定めた基準があります。誰が弾いても弾きやすい音づくり。きちんとした技術があれば、そういう方向に進むんです」

「絵描きならキャンパスを作る仕事。真っ白でないといけない。キャンパスが黒や緑ではいけないんです」
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