この活動を行っていたのが「海南海草よい文化を育てる会」です。 11月、会が製作した紙芝居のひとつ「十五娘」がデジタル化され、約40年ぶりに海南市内の小学校で上演されました。
「海南海草よい文化を育てる会」のメンバーだった海南市の西岡均さんによると、会が活動していたのは44年〜34年前。 地元の有志が美里・野上・海南・下津の小学校を回り、映画の上映や、紙芝居を上演する活動を行っていたとのことです。 紙芝居は年に1作、地元の言い伝えや民話をもとに製作。「十五娘」は、海南市の冷水浦に伝わるお話です。そのお話はーー 今から500年前、蓮如上人が冷水浦を訪れた時のこと。 上人が来たという噂を聞きつけ、冷水浦だけでなく、近隣からも多くの人が上人の話を聞きに来ていました。 その中に、一人の美しい娘がいました。 娘は何度も何度も、熱心に上人の話を聞きに来ていました。 年を聞かれると、「十五」とだけ答えました。 あまりに美しいので、ある晩、一人の若者が娘の後をつけました。 すると娘は冷水浦の浜でその姿を大蛇に変え、船尾の山へと帰っていったのです。 「大蛇まで姿を変えて話を聞きに来た」と、上人の評判はさらに広まり、ますます多くの人が集まるようになったとのことです。 ーーといったものです。 西岡さんによると紙芝居は10作ほど作ったはずですが、貸し出してそのままになったりして、現在、残っているのは「十五娘」のみ。 西岡さんのご家族が海南市の黒江小学校で職員をしており、今年、この唯一残っていた紙芝居を同校でパワポを使ってデジタル化。 11月26日、約40年ぶりに子どもたちの前で上演されました。 子どもたちは「娘が蛇に変わって驚いた」「(船尾など)知っている地名が出てきてびっくりした」などと話していたとのことです。 冷水浦にある浄土真宗のお寺・了賢寺によると、娘が蛇に姿を変えたとされるあたりの土地は、今も「十五」と呼ばれているとのこと。 黒江小学校の大和孝司校長は「もし他の紙芝居が見つかることがあれば、また子どもたちに紹介したい」と話しています。 前の記事 [3]コロナで急増、困窮家庭に食料品を
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