「4月中に方向を出す」だったはずが…どうなる?自然博物館2月の県議会で岸本知事が「見直す」とした、県立自然博物館(以下自然博物館)の移転問題。知事は4月はじめの記者会見で「今月中には方向性を出す」としていましたが、結局、4月中には移転に関する発表はありませんでした。移転が予定されていた海南市側では、ほかの事業にも影響が出ています。 ※記事の内容は5月4日現在のものです。 水族館を併設し、遠足の定番コースとしてもおなじみの自然博物館。1982年(昭和57年)、海に面した海南市船尾にオープンしました。開館から40年あまりが経過した現在も、親子連れなどを中心に年間約10万人が訪れる人気の施設です。 しかし建物の老朽化が進み、県は'17年に移転する方向であることを発表。昨年には基本計画策定の予算も計上され、移転先には、海南市の大野中地区が予定されていました。ただし海に面している現在の博物館とは違い、予定地は内陸部に。このことが、後で混乱を呼ぶことになりました。
できれば水族館を維持したいが…
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現在の自然博物館(上)と、海南市が造成した移転予定地 |
海南市では移転に備え、すでに大野中に土地を確保。市側で約2億円をかけ、造成まで済ませています。市の都市整備課によると県とは担当者間のやりとりはあるものの、方向性が出ていないため、具体的な話は進んでいないとのことです。
海南市では、移転予定地の周辺に公園を整備する計画も立てています。しかし県が移転を見直したことにより、こちらの計画も進まなくなっています。「(公園を運営する事業者を)公募する中でも、(移転がどうなるかが)大きく影響することになります。その点も示しにくくなっており、(公募は)いったん様子見となっています(同課)」また、もし移転がなくなった場合に市が造成した土地をどうするのかも「まだ様子見」とのことです。
関係者によると、県の内部資料では内陸部への移転の場合は水族館機能を持たない方がいいとなっているという話もあり、大野中に移転する場合は、今とはかなり違った形の博物館になるのかもしれません。
現在、自然博物館では多くの海に棲む生物を展示していますが、もし水族館設備を縮小することになった場合は「(移転にあわせて)生き物を補充しないで減らしていくことになるのでは(同館)」と話しています。
参考=和歌山県立自然博物館「館長ご挨拶」(https://www.shizenhaku.wakayama-c.ed.jp/infomation/director.html)/和歌山県「長期総合計画 第2章 第5節 地域を創る」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020100/chokei/0205chiiki.html)/和歌山県議会「令和5年2月定例会 2月20日 藤山将材議員一般質問」(http://kengikai-tv.pref.wakayama.lg.jp/data1SMP/20230221100125/vod.m3u8)/和歌山県「知事記者会見 令和5年2月1日」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/22/2/d00212479.html#d230201_1)/和歌山県「知事記者会見 令和5年4月4日」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/05/4/20230404.html#d230404_qa)/Arikaina「県立自然博物館の移転が白紙に 海南市、約2億円がパーの危機[1]」(https://arikaina.com/_article/202303/nature-museum-1.html)
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