Arikaina 2023/7 箕高野球部、部員数が急減
秋からは紅白戦もできない人数に

名門・箕島高校硬式野球部 部員数が急減…この秋からは12名に


 昭和40年代から50年代にかけて圧倒的な強さをほこり、昭和54年(1979年)には甲子園で春夏連覇をなしとげた名門・箕島高校硬式野球部。しかし近年は部員数が減少し、今年はこの夏で3年生が引退すると、秋からはわずか12名になる見込みです。


箕島高校入口に飾られている甲子園の優勝旗

3人以上ケガすれば、大会出場も危ぶまれる状態に

 現在の硬式野球部は、3年生が15名・2年生が4名・1年生が8名の計27名。この夏の大会で3年生が引退すると、部員は12名となります。紅白戦(試合形式の練習)も人数が足りずにできなくなるため、「まだオファーはしていませんが、他校との合同練習も考えています(硬式野球部の北畑清誠監督、以下カッコ内同じ)」

 このままではケガ人が相次いだ場合には、大会への出場も危ぶまれる事態になります。最低でも9人は必要なため、もし3人以上ケガして人数が足りなくなった場合は「ほかの運動部から助っ人をお借りする、ということになるかもしれません」

10年で3分の1ほどの部員数に
スポーツコースの減少が影響か

 箕島高校全体でも、新入生は9年前の'14年は240人でしたが、今年は126人と約半数になっています。ただ北畑監督によると、硬式野球部は'13年に甲子園に出場したあとは約90名もの部員がいたとのことで、この10年で3分の1ほどにまで減少していることになります。

 北畑監督は、スポーツコースの減少が大きかったと話しています。「今の3年生のときはスポーツコースは2クラスだったんですが、今の2年生のときから1クラスになったんです」スポーツコースでは11競技の中から生徒が競技を選択するようになっており、競技によっては推薦もあります。しかし野球は推薦がないため、クラスが減ると、影響も大きいとのことです。

この春の県大会でもベスト4 部員が少なくなる中でも健闘

 部員が少なくなる中でも、硬式野球部は昨年秋の県大会ではベスト4。この春の県大会でもベスト4と、健闘しています。「部員全員、同じ練習メニューをこなすようにしています。いつ誰がケガするかも、というのがありますし、1年生にも、中学とは違うレベルの野球に早く慣れてもらうように」

 硬式野球部は昨年10月、中学生を対象に部活動体験会を開催。今年春には8名が入部しました。今年も10月に、学校説明会にあわせて体験会を開催する予定とのことです。

 現在の部員の中にもOBの息子さんが何名もいるという、歴史と伝統をほこる名門野球部。7月には、甲子園出場をかけた夏の県大会がはじまります。かつてない部員の減少という厳しい冬の中でも、『凜烈の意気』をみせることができるでしょうか。

参考=和歌山県教育委員会「県立学校教育課」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/kyouiku/soshiki/500200/index.html)/一般財団法人 和歌山県高等学校野球連盟「大会履歴」(https://www.whbf.jp/history.html)/和歌山県立箕島高等学校「校歌・校訓・教育目標」(https://www.minoshima-h.wakayama-c.ed.jp/intro_schoolsong.html)


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