Arikaina 2023/11 広川町、自虐動画?を制作依頼
自虐でインバウンド誘致を狙う?

「観光客がいなくて破産の危機なの」広川町、自虐動画?を制作依頼


 広川町は10月、ホームページでインフルエンサー(SNSなどで影響力のある人物)による動画の配信がはじまったと発表しました。内容は「広川町の中で日本一のものを探す」というものですが「破産しそうになっている」「ここには何もない」など、"自虐"ともとれるような内容も。町によると、コンサル費用に町の予算をあてているとのことです。

Youtubeで公開された動画より


町長自ら「この町には、特産品や名物料理はない」

 動画を公開したのは、千葉県出身で中国在住のインフルエンサー・竹内亮さん。広川町のプレスリリースによると、竹内さんは中国で計1000万人ものフォロワーをほこる人気インフルエンサーとのこと。広川町の企画政策課によるとインバウンド客へのアピールを狙い、竹内さんに動画を依頼することになったそうです。

 動画は広川町長から「町を紹介してほしい」とメールが来たとして、竹内さんと奥さん・娘さんのご家族で広川町を訪問するところからはじまります。町長からのメールを紹介する部分では、娘さんによる「無名で観光客が誰も来なくて潰れそうだから、『助けて欲しい!』と言うことらしい」というナレーションがかぶさっています。

 動画は続いて、竹内さん一家が町役場で西岡町長と面会する場面に。竹内さんが町長に「ここの特産品というか名物料理みたいなものはないんですか?」と聞くと、町長は「ないです」と即答。竹内さん一家は町内でアピールできるものを探すため、町長が「日本オンリーワンの風景を見ていただきたい」と言っていた西広海岸へと移動します。

海ではナンパ、移住者には「なんでこんな何もない街に」

 娘さんは「きれい」と言って海岸ではしゃぐものの、竹内さんは女性の観光客に「ナンパ」と言って声をかけに。レストランでは竹内さんは「この撮影難しすぎる。特徴がない」とぼやき、町内に引っ越してきた人に話を聞く場面では「なんでこんな何もない街に引っ越してきたんだろう?」とナレーションがかぶっていました。

 動画は最後に広川町の有名な故事「稲むらの火」にふれ、一家が町内の避難施設「まもるくん」にのぼって屋上から町をながめる場面に。竹内さんは町並みを眺めながら「もし津波が来たら、この辺りは全部のみ込まれるね」と話していました。

 町の企画政策課によると、制作側には「自虐的な要素も入れてください、と言っておきました」とのこと。動画はユーチューブや中国のウェイボーなどのサイトで、11月初旬現在、合計で約60万回再生されているとのことです。


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