Arikaina 2024/2 「防災ラジオ」で無線が聞けなくなる?
「防災ラジオ」で、防災無線が聞けなくなる?有田市では3月末で、湯浅町も近いうちに

湯浅町が配布していた防災ラジオ(広報ゆあさ '11年4月号より)

 防災無線を屋内でも聞けるよう、特に海沿いの市や町で配布されている「防災ラジオ」。防災無線が入りにくい・聞こえにくい方にとってはありがたいラジオのはずですが、この防災ラジオで、防災無線が聞けなくなるようです。有田市ではこの3月末で、湯浅町でも近いうちに聞けなくなる見込みです。

 有田市は市民に配布している「広報ありだ」の2月号で、電波法令の改正により「防災行政ラジオで防災行政無線放送が聞けなくなります」と告知。ただ、ラジオとしてはまだ使えるとしています。

 市の防災安全課によると、無線の放送をアナログ式からデジタル式に切り替えており、今まではアナログの電波もそこにのせる形で放送してきたものの、その放送が3月末で終了するとのことです。

 市では、今後はスマホ用のアプリやメール、LINEなどで情報を受けとってほしいとしています。ただ防災ラジオを使っていた方には、高齢者などスマホやパソコンのあつかいに慣れていない方もいると思われ、同課では「そこは課題」と話しています。なお配布しているラジオは市に返却する必要はなく、不要であれば破棄してもらっても構わないとのことです。

 また有田市の隣の湯浅町でも防災ラジオを全戸配布していますが、こちらでも近いうちに受信できなくなる見込みとのことです。「令和7年度('25年度)までは使えるようにと考えていますが、近いうちに(受信できなくなるという)周知をはじめる予定です(町総務課)」同課によるとラジオで受信できなくなっても、何らかの対応を検討しているとのことです。

 さらに湯浅町の隣の広川町でも防災ラジオを配布していますが、こちらでは「アナログも併用して続けている(町総務課)」とのことで、引き続き防災ラジオを使えるとのことです。同町では、メールの通知からホームページ上で防災行政無線の内容を聞くことができるサービスも実施しています。

 有田市の防災安全課によると、最近は家の密閉度が上がったことで無線が聞こえなくなったり、太陽光発電の影響とみられる現象でラジオが流れなくなる、といった声も市民から寄せられているとのこと。気象警報や避難指示など、非常時には地域に一斉に危険を知らせる役割を持つ防災無線ですが、いざという時にいかに情報を漏らさず伝えるか、市や町にとっても、あらためて課題となってきていると言えそうです。


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