Arikaina 2025/2 有田川町がライドシェアを導入へ
|
|
過疎地域でも気軽に移動 有田川町がライドシェアを導入へ
|
有田川町では、4月から町によるライドシェアを開始する予定です。導入されるのは旧清水町〜旧花園村にかけての区間。過疎化が進む地域で、気軽に使える交通手段となるでしょうか。
すでに10名の方がドライバーに
料金は3段階で定額
国交省のホームページなどによると、ライドシェアはタクシードライバーではない一般のドライバーも乗客を運ぶことができるサービス。車両も自家用車を使うことができます。運営は市や町などの自治体や、タクシー会社などの民間事業者が当たります。
国交省が昨年10月に公表した資料によると、全国ですでに約1100の自治体がライドシェアを実施済、もしくは実施に向けて準備中。県内でも和歌山市が、2月から市内のタクシー会社によるライドシェアを開始しました。
有田川町の資料や町の企画調整課によると、町内では4月からライドシェアをスタートする予定。利用できるのは清水地区の一部、および久野原・井谷・板尾・杉野原・押手の各地区と、花園地区の一部となっています。
有田川町ではすでに10名の方がドライバーとして登録しており、全員、地元の方とのことです。ドライバーは二種免許(タクシーを運転するのに必要な免許)は不要ですが、講習を受講する必要があります。
ライドシェアを利用する場合は、事前に電話で予約する必要があります。料金は距離によって3段階の定額制となっており、10キロ未満で600円、10〜20キロで800円、20キロ以上で1000円。同乗者は1名につきプラス200円となっています。ドライバーには運賃のほか、町からの手当も出るとのことです。
過疎化が進む地域の"足"になれるか
町の資料によると、今回ライドシェアの対象となった地域の人口は約1500人。高齢化率も50%を超えています。地域ではコミュニティバスと路線バスが運行されていますが、コミュニティバスは週1回のみ。路線バスも減便が検討されているとのことです。
なお旧清水町地域全体では、合併で有田川町となる前年の'05年には人口約4600人でしたが、同町の清水行政局によると、今年1月末時点では約2200人と半分以下にまで減少しています。
同町の企画調整課によると、ドライバーの募集は昨年12月ごろから開始。わずか1か月ほどの間に、当初予定していた10名の方が集まったとのことです。高い関心が寄せられていることがうかがえるライドシェア。過疎化が進む地域で、地域の"足"として活躍することができるでしょうか。
和歌山市では2月からスタート
紀美野町や海南市でも利用可能に
有田川町に先がけ、県内では2月から和歌山市でライドシェアがスタート。こちらは有田川町とはことなり、タクシー会社が事業を実施します。運行エリアは和歌山市域交通圏(和歌山市・海南市・紀の川市・岩出市・紀美野町・かつらぎ町(旧花園村区域を除く))となっており、紀美野町や海南市でも利用できます。
ただし事業を行っているタクシー会社はいずれも和歌山市内のため、紀美野町や海南市から利用する場合は「車が時間がかかったり、といったことはあるかもしれません((一社)和歌山県タクシー協会)」とのことです。
運行時間は「タクシーがつかまりにくい時間帯(和歌山市の交通政策課)」である(金)・(土)の16時〜翌朝5時台まで。乗車するには配車用のスマホアプリ「GO」での予約が必要で、支払いもアプリによるキャッスレス決済のみとなっています。運賃はタクシーと同程度で「タクシーより安くなることはありません(同協会)」とのことです。
参考=有田川町地域公共交通会議(令和6年度 第1回)「議案第3号 清水地域から花園地域における自家用有償運送事業の実施について」(https://www.town.aridagawa.lg.jp/material/files/group/1/3gougian.pdf)/国土交通省「公共交通政策:国土交通省『交通空白』解消本部」(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000237.html)/国土交通省「自動車:日本版ライドシェア(自家用車活用事業)関係情報」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr3_000051.html)/チューリッヒ「ライドシェアとは。日本版ライドシェアの開始・カーシェアリングとの違い(https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-whatis-rideshare-takeup/)/産経ニュース「日本版ライドシェア半年 事業広がらず 厳しい制限 『認可台数に達しない』」(https://www.sankei.com/article/20241007QAGTXT3VBRJ2BKQJKKBTB6ES4E/)/関東運輸局 自動車交通部 旅客第二課「令和6年10月2日『日本版ライドシェア、公共ライドシェア等について』」(https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/content/000334295.pdf)/有田川町議会広報 第76号 2025/2(https://www.town.aridagawa.lg.jp/material/files/group/12/aridagawagikaikouhou76.pdf)/有田川町「地域の特性」(https://www.town.aridagawa.lg.jp/ijuu/tokusei/index.html)/有田川町人口ビジョン(https://www.town.aridagawa.lg.jp/material/files/group/11/Jinkou_Vision_201510.pdf)/国土交通省「『地域の足』『観光の足』確保に向けた取組状況と今後の対応」(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001850987.pdf)/和歌山市「『日本版ライドシェア』が和歌山市でスタートします 〜県下初 令和7年2月7日(金)から運行開始〜」(https://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/061/291/20250131-2.pdf)
次の記事
有田市で「陥没の恐れあり」
前の記事
18歳意識調査で和歌山低迷
|
←このページのコード
有田・海南のフリーペーパー
Arikaina
2025/2号
|
|