Arikaina 2025/3 ワカヤマソウリュウ、復元骨格と模型が完成![1]
その巨大さを体感できる

ワカヤマソウリュウ、復元骨格と模型が完成!自然博物館やALECで展示[1]


 有田川町で発掘された巨大は虫類の化石「ワカヤマソウリュウ」。県が製作していた全身復元骨格標本(以下復元骨格)と生体復元模型(以下復元模型)がこのほど完成し、3月〜4月にかけ、海南市にある県立自然博物館や有田川町のALECで展示されます。復元にあたっては、今までの同類の化石にはなかった試みもなされているとのことです。


完成した復元骨格と復元模型
(2月28日、県民文化会館で撮影)

 「ワカヤマソウリュウ」は恐竜の生きていた時代、海に生息していた「モササウルス類」という巨大なは虫類の仲間。ほぼ全身の化石が見つかっており、「モササウルス類としてはアジア初の全身骨格化石となる、世界的にも貴重な標本(県教育委員会のホームページより」)」とされています。'06年に有田川町で最初の化石が発見されて以降、県立自然博物館によって発掘や調査が進められ、'23年に新種であることが発表されました。

 県は今年度、この「ワカヤマソウリュウ」の全身骨格と復元模型の製作を予算化。全身骨格は紀美野町にあるアンフィ合同会社が手がけ、復元模型は高知県にある(株)奇想天外が手がけました。同社は世界的なフィギュアメーカーとして知られている(株)海洋堂のグループ会社で、同博物館によると、復元模型は(株)海洋堂の古田悟郎さんが手がけているとのことです。

全長6メートルの大迫力!
他の復元にはない、新しい試みも

 復元骨格は原寸大で、全長約6メートルという大迫力の造形。実際に見つかった化石の3Dデータをもとに、見つかっていない部分の骨も作成して、全身の骨格が復元されています。

 作成にあたっては、他のモササウルス類の復元にはなかった新たな試みも取り入れられました。たとえば背骨は尾部までまっすぐではなく、骨盤のあたりで少し曲がった形で復元されました。「動きなどからすれば、こちらの形の方が自然と考えられます(県立自然博物館の小原学芸課長)」とのことです。

 また骨盤は背骨にくっついているのではなく、少し離れた状態で再現されました。「あまりに骨盤がくっついているのでは、体がその部分で急激に細くなってしまいます。必ずしも骨同士がくっついているわけではなく、離した形で再現しました(小原さん)」とのことです。


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