Arikaina 2026/2 紀美野町で緊急銃猟の机上訓練[1]
付近の人には避難を呼びかけることに

実際やると「ものすごい大事になる」 紀美野町でクマの緊急銃猟の机上訓練[1]


 1月29日、九度山町と紀美野町でツキノワグマを対象とした「緊急銃猟机上訓練」が実施されました。同町によると訓練により、実際に猟銃を使うさいには付近の住民に避難を呼びかけるなど、かなりの大事になりそうという実態が浮かび上がってきました。町では今後も想定を変更して机上訓練を行っていくとしているほか、屋外での訓練も必要としています。また県の有田振興局によると、有田地方でも日程はまだ未定なものの、机上訓練を行う予定にしているとのことです。


'24年に紀美野町で撮影されたクマ(写真提供=県自然環境課)

昨年、国が「緊急銃猟」の制度を施行
市町村長の判断で銃が使えるように

 国は昨年、鳥獣保護管理法を改正し、緊急時に銃を使用できる「緊急銃猟制度」を施行しました。これまでは住居の多い地域にクマが出没した場合は、警察が主体となって対応するのが原則でした。しかし新しい「緊急銃猟制度」では市町村長の判断により、銃を使っての駆除が可能となります。

 紀美野町のホームページによると、実際に緊急銃猟を実施するための条件は市町村長による判断のほかに「人の生命に危険が差し迫っている」「他の手段では対応が困難」「周囲の安全が確保できること」となっています。

周辺住民は避難、学校は下校できず
「かなり時間がかかる」ことが課題に

 紀美野町産業課によると、今回の机上訓練は「国道沿いの民家が多い地域にクマが出没した」という想定で実施。実際、2021年には比較的民家の多い動木のJA給油所付近で、クマの目撃情報が町に寄せられています。

 訓練では、状況に応じて住民の避難を想定。緊急猟銃を実施する地点から100メートル範囲の住民は避難所へ避難するとしたそうです。さらにクマが撃たれて手負いになった場合に襲われる危険があるため、300メートル範囲の住民には、防災無線や広報車を使って「家から出ないように」と呼びかけました。

 また学校が開いている時間帯であれば子どもは下校させず、学校にとどまるよう呼びかけることになるとのことです。同課では「実際に緊急銃猟を行うとなれば、ものすごい大事になる」と話しています。

 また机上訓練を通じて見えてきた課題として、「時間がかかること」を挙げています。発砲前に爆発物の有無や車両が無いかなど、弾丸が当たった際に危険なものが無いかを確認する必要があり、撃つまでに相当な時間を要することが分かったとのことです。


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