Arikaina 2026/2 海南市で仏像盗難被害が発生
県内で6年ぶり、海南市で仏像盗難被害が発生

盗難被害に遭った仏像(写真=県教育委員会のホームページより)
木造阿弥陀如来立像 高さ53.0cm
木造善導大師坐像 高さ37.2cm
木造法然上人坐像 高さ37.8cm

 昨年末、海南市で仏像の盗難被害が確認されていたことが分かりました。盗難に遭ったのは江戸時代の作と見られる仏像で、県の文化遺産課によると、県内で仏像の盗難が確認されるのは6年ぶりです。

 被害が発生したのは海南市内のお寺(名称は非公表)で、同課によると地元の人が8月のお盆ごろに仏像を確認していたものの、年末に法要のためにお堂を開けたところ、安置されていたはずの仏像が無くなっていたそうです。

 同課によると、県内では2010年に100件を超える仏像盗難が発生。その後2015年〜18年にかけて盗難が多発していましたが、2019年以降は確認されていませんでした。

 盗まれる仏像は、多くは売却目的と見られています。一度市場に出回ると取り戻すことは困難なものの、過去には市町村指定の文化財が写真などの記録を元に特定され戻ってきたケースや、犯人が検挙された際に未売却の状態で発見されたケースもあるとのことです。

盗難防止の措置を呼びかけ
3Dプリンタによるレプリカも

 盗難被害を防ぐため、県では「わかやま文化財盗難対策ガイドブック」を作成・公開。基本となる「施錠の徹底」や「防犯カメラ・人感センサーの設置」のほか、万が一に備えて写真などで記録を残しておくことなどを呼びかけています。

 県では新たな対策として、本物は博物館など安全な場所で保管し、3Dプリンターなどで製作した精巧な複製を作成して設置する事業も実施しています。複製の製作には、和歌山工業高校や和歌山大学が協力。有田地方でも、田殿丹生神社や下湯川観音堂で設置されています。

 ただレプリカも大きな像の場合は3Dプリンターで一度には出力できず、分割で出力して後で組み立てるといった手間がかかるとのこと。また、彩色は人の手で行う必要があります。時間や費用はかかるものの、過去には国の補助金を活用して所有者負担なしで製作した例もあるとのことです。

周辺で被害が続く恐れも
県、情報提供を呼びかけ

 今回盗まれた仏像について、県では広く情報提供を呼びかけています。文化遺産課によると一度盗難が発生すると、周辺で続く場合もあるとのことです。

▼盗難仏像に関する情報提供の連絡先
▽和歌山県教育庁文化遺産課保存班
TEL.073・441・3738
メール
e5007001.wakayama.lg.jp
▽海南市教育委員会生涯学習課
TEL.073・492・0143

参考=県教育委員会「県内で仏像の盗難被害が発生しました!!(情報提供の呼びかけ・注意喚起)」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500700/d00221487.html)/県教育委員会「わかやま文化財盗難対策ガイドブックを作成しました!」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500700/d00213089.html)/県立博物館「有田川町 田殿丹生神社 丹生明神・高野明神坐像のお身代わり神像奉納について」(https://hakubutu.wakayama.jp/information/replica2024-tadononyujinja)/広報ありだがわ 2017.9「下湯川観音堂にお身代わり仏像が奉納されました」(https://www.town.aridagawa.lg.jp/material/files/group/11/koho2017-9_28.pdf)


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