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Arikainaメールマガジン 2020/3号(2020/3/10発行)


Arikainaメールマガジン 2020/3号


皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。

※本紙ホームページから全ての記事をご覧いただけます。
Arikainaホームページ
https://arikaina.com


▼一体いつまで…新型コロナウイルス 地元の専門家に聞く、今後の見通し
https://arikaina.com/_article/202003/corona-1.html

▼小学校での子どもあずかり 市・町により足並みそろわず
https://arikaina.com/_article/202003/child-1.html

▼風評被害を長年研究 経営コンサルタントの初鹿野浩明さん
https://arikaina.com/_article/202003/hatsukano-1.html

▼簡単な手作りマスクの作り方
https://arikaina.com/_article/202003/mask-1.html


メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
今月は先月に引き続き、新型コロナウイルスについて大きくとり上げました…と言いますか、ほぼコロナウイルス一色です。
発行をはじめて10年くらいになりますが、ここまで1つのこと一色になったのは東日本大震災の時以来です。あの時も、ここまで一色にはならなかったと思います。

まあとにかく紙面というに関わらず、この1か月、この話題一色でした。
何より配布地域である有田で次々と感染者が出るという事態になり、私も誰か知り合いが直接感染したとかではないのですが、少なからず動揺と言いますか、何かしないとというような気持ちになり、毎日ホームページでいろいろ情報を更新していました。

掲載していたものを含めイベントもどんどん中止になり、紙面の方もどういう風にすればいいのかといろいろ考えました。考えて、イベントなどのおでかけ情報やお店の情報は極力なしでということで作業を進めていたのですが、結果的にはそれでよかったと思います。

代わりに専門家の方への取材を中心にしたのですが、本当にお忙しい中で取材に応じていただきました有田市立病院の吉田さん・生馬医院の小山さん、不躾な申出にもかかわらず取材に応じていただきました経営コンサルタントの初鹿野さん、マスクの作り方の掲載を心よく許諾してくださった猪俣さん。この場をかりまして、あらためてお礼申しあげたいと思います。

先日また大阪のライブハウスで感染した方(有田の方だったみたいですが)が出ましたが、それ以外はとりあえず県内からは新たな感染は確認されておらず、和歌山では小康状態にはなったようには感じます。

このまま収束してくれれば本当にいいのですが、もちろん、まだまだ予断は許しません。

気になっているのは、済生会有田病院とまったく関わりがない方でお一人感染者が出ていることです。あのパチンコ屋さんにしても、

・いつパチンコ屋さんに行っていたのか
・パチンコ屋さんに行っていた感染者は一人なのか複数なのか

県ではこういう情報も把握しているはずですが、公開されていません。そもそもパチンコ屋さんのことも、当のパチンコ屋さんがお店に張り紙してホームページで発表したことが第一報で、それがSNSで広まりました。県が認めたのは、その日の知事の記者会見で質問されてからです。

さらに県内で感染が確認されている方がよく行っていた場所や最近訪れた場所のうち、済生会有田病院を別にすれば、公開された(と言うか、実質お店が自主的に公開された)のはこのパチンコ屋さんだけです。これまた県では当然、ほかのそういった場所も把握しているはずです。

そもそも最初に感染が確認された医師の方も、どこで感染されたのかは分かっておらず、いろんな噂が流れているという状態です。

ダイヤモンド・プリンセス号の件でも、検査では陰性とされた方が、その後発症する事例が出ています。

湯浅で発生したクラスターにおいても、まだ感染している方がいるかもしれないという余地は十分残されていると考えるべきではないか、と感じます。

私はそう思っているのですが、仁坂知事は3月4日付の『わかやま通信』で、「頑張れば、またあの和歌山のように、感染症禍から生還することができる」などと、まるで収束宣言ともとれるような発言をしています。

大阪のライブハウスの件にしても、和歌山の感染者のご家族や会社の同僚の方が検査で陰性になると、3月8日付の『わかやま通信』で「封じ込めの目的を達成することができた」と発言しています。

繰りかえしますが、この新型コロナウイルスのPCR検査では、一旦陰性と出た方があとで陽性になる事例が発生しています。今月号で取材した小山さんも吉田さんも「感度が低い」とおっしゃっていました。小山さんは特に「あんな感度の低いPCR検査みたことない」とおっしゃっていました。

仁坂知事はこの新型コロナウイルスへの対応で、SNSなどでは非常に評判が良くなっています。が、まだまだ和歌山でも感染が広がる余地は残っている(と私は思います)のに、収束宣言まがいの発言や、封じ込めに成功したといった発言を繰り返されるのは、少々いかがなものかという気がします。

3月1日、月に1回発行されている県の広報誌『県民の友』の3月号が発行されました。公民館や、地域によっては回覧板で配布されていると思います。

驚いたことに、新型コロナウイルスのことにまったく触れていません。

トップ記事は、串本にできるロケット発射場について。ほかのページも、これだけ『不要不急の外出は控えましょう』と呼びかけられている中で(実際、そうしなかったためにライブハウスでの感染も起こったわけですが)、オリンピックの聖火リレーや、各種の体験会や講座といったおでかけ記事が並んでいます。

まるでもう、コロナウイルスのことなど過去のことになってしまったかのような紙面構成です。

県の発行する広報誌としてはほかに『和(nagomi)』がありますが、毎月発行されているのは『県民の友』だけです。

まだまだ全国的に感染が広がっており、和歌山でもまだまだ感染が広がる余地が残っている(しつこいですが、私はそう思ってます)中で、収束宣言まがいの発言をし、検査ですべて陰性であれば封じ込めに成功したとし、広報誌では一切とり上げない。

ここから見えてくる、もしくは想像できることは、とにかく早くいつもの感じに戻したい(と言いますか戻ったことにしたい)、そういう空気・雰囲気をつくりたいという発想です。

県民といいますか、人間相手であればそういうのもある程度社会を安定させるために効果があるのかもしれません。しかし相手はウイルスです。そんな意図に忖度してくれるわけではありません。

収束した・封じ込めに成功した、そういう態度をとればとるほど、そういう方向を向こうとすればするほど、どこかで足元をすくわれることになりはしないのか。

今月記事にしました子どものあずかりの件についても、各市町村の教委に確認をとってから発言することもできたはずです(言うにしても、本来は知事ではなく県の教育長が言うべきことのような気もしますが)。

少々きつい言い方になりましたが、心配です。

一応いまさらですが、私は知事の

・とにかく検査数を増やした
・毎日記者会見した(記者クラブしか相手にしていませんでしたが!)
・人海戦術で聞きとり調査を行った

こういう点に関しては本当に良かったと思っています。ネットで評価されているのも、おおむねこうした部分かと思います。
それだけに、最近の言動は残念です。



というわけで、今月はこれくらいにしておきます。しばらくは(もっと?)こういう状態が続くことになるかと思います。紙面でも普段のようなおでかけ情報やお店の情報はなかなか載せられないかもしれませんが、こういう状況の中で、少しでも地域に役立つ情報が届けられるよう作っていきたいと思っています。

長引くほど経済活動にも影響が出てくると思いますが、今月取材した初鹿野さんのおっしゃる通り「洪水が起こっているのに、洪水を止めようとしない」という姿勢が大事かと思います。初鹿野さんには風評被害に関してということで取材したのですが、風評被害にかぎらず、この状況で売上が下がったところ全般にあてはまるのではないでしょうか。

気になるのはマスクや子どものあずかりなど、あまり声が上がっていないところで困っている人がかなりいるのではということです。噂ですが、和歌山の結構大きな病院でも「マスクは洗って、ぼろぼろになるまで使うように」といった指示が出ているとも聞いています。

先日ようやくマスクの転売禁止が打ち出されましたが、さすがに遅過ぎた感は否めません。気管支の病気を抱えている方など、どうしてもマスクを手離せない方の中には、泣く泣く高額な転売マスクを買った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

中国では明るい兆しも出ているようですし本当に収束していってほしいですが、そのためには吉田さんのおっしゃっていた通り、全員が協力する姿勢が重要だと思います。同時に、長期化・感染拡大した場合のことも考えておかなければいけないのでは、とも思います。いい方向に向かっていることを願いつつ、それではまた来月〜

有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
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〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10
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